魔にして魔を狩る者
第十八話










殺人鬼の件が片付いてしばらくし春休みになったころ、衛宮君が僕の元に尋ねてきた。
目的はまず間違いなくひとつしかないだろうけど、いろいろ話を聞いてみることにしよう。





「こんにちは衛宮君、僕の元に来たってことは僕の弟子になりにきたってことで間違いないですね」



「ああ、俺を弟子にしてくれ」



「それは問題ないですが、その前にいくつか質問しておきたいことがありますがいいですね」



「ああ、かまわない」



「では、衛宮君は何のために魔術師になったんですか?」



「俺は魔術師じゃなくて魔術使いになるつもりだ」



「だとすれば魔術を使って何をするつもりですか?」



「これを聞いても笑うなよ」



「衛宮君の目的が何であれ、真剣なら笑いませんよ」



「俺は正義の味方になりたいんだ」



「そうですか、それでは次の質問です。衛宮君は聖杯戦争って知っていますか?」



「なんだそれ?」



「どうやら、本当に知らないみたいですね。なら今は知る必要のないことですが、機会があれば教えて差し上げます」



「それって重要なことなのか?」



「おそらく衛宮君がいずれ知らなければならないことですよ。
それは置いといて次の質問です、衛宮君は魔術刻印の継承は終わっていますよね」



「いや、俺は養子だから、魔術刻印は継承してない」



「そうですか、ではよろしければどのような経緯で切嗣氏の養子になったのか聞かせてもらえますか?」



「9年ほど前に冬木市で大きな火事があってそのとき俺を助けてくれたのが切嗣なんだ」



「そうですか、とりあえず今日のところはこれくらいにしておきましょう。
今は春休みですし、しばらく家に滞在できますよね」



「ああ、大丈夫だ」



「では、明日から本格的にいろいろやっていくので覚悟して置くように」





衛宮君は前回の聖杯戦争の被害者ですか。
その衛宮君が聖杯戦争について知ったときにどんな反応を示すのかは気になりますが、まずは最低限の魔術を教えるのが先決ですね。
明日は衛宮君の属性を調べてみるとしましょう。

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