機動戦艦ナデシコ
LORD OF DARKNESS
第二話交渉
この俺専用の機体も作り上げたことだし、
そろそろナデシコに乗るための交渉を始めるとしようか。
「おい、サフィー」
「なに、ハヤト」
「少しは口調がましになったようだな」
「そう?」
「ところで、プロスペクターに俺たちの情報を流しておけ」
「わかった」
「準備はこれで完璧だ」
それからおよそ二日後、プロスペクターが来た。
流石というべきだな。
油断はできないな。
「はじめまして、私はプロスペクターというものです」
「はじめまして、ミカサ・ハヤトです」
「サフィーです」
「ところでプロスさん、今日はどのようなご用件ですか?」
「サフィーさんはマシンチャイルドですよね」
「そうですがそれが何か」
「いまのわたしにはかんけいない」
「そうもいかないと言うことですね」
「まあ、サフィーさんのことはついでですから、敵対しなければそれで良いのですよ」
「ということは俺に用があると」
「そうです、サフィーさんを救出するときの映像は見せてもらいました」
「おや、監視カメラには移らなかったと思ったんだが」
「ええ、最後に研究員を殺したとき以外の映像は残っていませんでしたし、そのときの映像を手に入れるのも苦労しました」
「あの映像は完璧に消したはずだったが」
「研究所のメインコンピュータのバックアップデータから探し出させていただきました」
「あれは壊しておいたがそこまでするか」
「あなたの実力を買っているということですよ」
「で、俺に何をしろと」
「いまネルガルが建造中の戦艦に乗っていただきたいのです」
「民間企業が戦艦を造るとはな」
「そこでパイロットをやっていただきたいのです。あなたが作ったであろう機体に乗って」
「そこまで調べているのか」
「あそこの研究所では機動兵器についても研究していたようですからね」
「俺の機体について詳しいことは知らないのか?」
「ええ、流石にそこまでは調べられませんでしたが、研究所から奪った金で造ったのですね」
「わかりました、その戦艦とやらに乗りましょう」
「ハヤト、わたしをおいていくの」
「サフィーさんにもついて来て頂きたいのですが」
「わかった」
「それでは後日、迎えをやりますので」
「わかりました、では契約はそのときに」
流石はプロスペクター、俺の機体まで予想しているとはな。
油断大敵だな。この場ですぐに契約していたら、まずいところだったな。
さて、これからナデシコに向かう準備をしておかなくてはな。
さてこれから面白くなりそうだ。