「エヴァンゲリオン初号機発進」
ついに戦闘が始まったか。これが新たな時間の流れの始まりといってもいいでしょうね。
これからはどうなるか予想はできませんね。
「シンジ君、まずは歩いてみて」
本当に信じられないようなことを平気で言う人たちですね、今は戦闘中ですよ。
そんなにのんきなことを言っていられる場合ではないと思うのですが。
シンジ君はエヴァを少し歩かせてから、敵に向かって走っていった。
第三使徒サキエルとのちに言われる敵はエヴァに対して赤いバリアのようなものを張った。
あれがA.T.フィールドと呼ばれるもののようだな。
「目標A.T.フィールドを展開」
オペレーターの女性が報告をした。後から知ったことだがこの女性は伊吹マヤと言う名前らしい。
シンジ君の話に出てくるような人ではなかったからそれほど重要な人ではないのだろう。
エヴァもA.T.フィールドを張った。
これも疑われる要素のひとつになりそうですね。
「エヴァもA.T.フィールドを展開。目標のA.T.フィールドを侵食しています」
さすがはシンジ君といったところですか。この程度の敵では相手にもなりませんね。
シンジ君はそのまま使徒を郊外に弾き飛ばし、そこを戦闘場所にした。
しかしエヴァはアンビリカブルケーブルからのエネルギー供給がないと五分ほどしか稼動できないのだ。
第三使徒ぐらいなら後三分とかからずに倒すこともできるでしょう。
シンジ君はまず第三使徒に蹴りを入れた。
そして追撃として回し蹴りをして、とどめにコアの部分を殴って、使徒を倒した。
この間一分とたっていなかった。
「目標、沈黙しました」
これで戦闘は終了したけれど本当の戦いはこれからと言う所ですね。
まずは碇司令との交渉と言うところですか。
シンジ君が戻ってきてから僕たちは司令執務室に呼ばれた。
「とりあえずはじめましてと挨拶しておくべきですかね。三笠大和です、以後よろしくお願いします」
「はじめまして、私は冬月コウゾウ。ネルフの副指令をしている」
「碇シンジです」
「挨拶はこれくらいにして本題に入りませんか」
と僕が提案すると、
「そうだな」
と碇司令が初めて口を開いた。
「では私が説明させてもらうよ。まず君たち二人にはここで働いてもらうことになる。三笠君も問題ないね」
と冬月副指令が説明されたので、
「僕は別にかまいませんが、僕は何をやればいいのですか?」
と問いかけた。
「それは君自身がよくわかっていると思うのだが」
と冬月副指令が答えられたので、
「やはり、ネルフは僕についても調べていると言うことですか?」
と切り返すと、
「そうだ」
と碇司令が返答された。
シンジ君はまったく話についていけていないようで、
「僕は話についていけないんだけど」
と話の腰を折るようなことを言った。
「そうだな、シンジ君はエヴァのパイロットになることには意見は無いのかい?」
「はい、冬月副指令。僕はかまいませんよ」
「僕のほうは第二に必要なものがいくらか置いてきてあるので、それを取りに行って来ていいならいいですけど」
これ以上交渉する意味、いやこの交渉自体に意味がなさそうなので早く終わらせてしまおう。
「では三笠君には第二に荷物いやここはあえて機体といっておこう、それを取りに行った後ネルフの技術部に配属になる」
「あの機体は僕にしか操縦できませんよ」
「それならばパイロットとしても働いてもらうよ、いいね」
「わかりました」
やはり月読のことまでしっかりと調べられているようですね。
これで交渉は終わった。
交渉が終わって執務室から出てみると、葛城さんが待っていた。
「おや、葛城さん、こんなところでどうしたのですか?」
「あなたたちを新居に案内してあげようと思ってね。あなたたちの家は私の家の隣になるわ」
「ミサトさんの家の隣ですか」
「監視しやすいようにと言うことですか」
「大和君はかわいげが無いわね〜」
葛城さんは上司になる人だがこの人に好感は持てそうに無い。
葛城さんのように公私混同するような人は未熟な人だと思う。
「話は移動中でもいいでしょう。さっさと移動してしまいましょう」
僕たちは新居についた。途中葛城さんの危険な運転のせいで意識が飛びそうになったけれど。
最低限必要と思われる食べ物の類も途中で買っておいた。
さて、荷物も届いているようですし、部屋も片付けでもしますかね。
しばらく部屋の片づけをしていると、次から次へと盗聴機の類が出てくるので、それらすべてを無効化しておいた。
まあ、次に仕掛けたとしてもそれも無効化するようにもしておきましたけど。
しばらくしてシンジ君が夕食の準備をしてくれたようなのでそれを食べることにした。
葛城さんもきているようだ。
「ミサトさんは料理はしないんですか?」
「今度おいしいカレーをご馳走してあげるわよ」
「そうですか。楽しみにしておきます」
確かシンジ君に聞いた話では葛城さんの造ったカレーは人の食べるものではないと。
しばらく何気ない話をしながら夕食の時間を楽しんだ。
そして葛城さんが帰った後、僕たちは今後のことについて話し合うことにした。
「シンジ君、とりあえず盗聴機の類は無効化しておきましたから」
「そうなんだ、いつの間に?」
「片づけをしているときにね」
「とりあえず、これからどうするんだい?」
「とりあえずは特に何もしないという方向で行くべきですよ」
「どうしてだい?」
「これからどうなるか予想しなければならないから、様子見といったところだよ」
「そう、じゃあ、しばらくは様子見だね」
「それでは今日は寝ますかね。お休み、シンジ君」
「お休み」
こうして一日が終わり次の日は僕の月読などを運び出すことになった。
赤木博士などは月読を見て大変驚いているようだが、見た目以上に月読は凄い機体である。
それは後々、気付くだろう。
こうして僕の第三東京市での新たな生活が幕を開けた。