新世紀エヴァンゲリオン
交錯する時間
第四話








先の第三使徒との戦いが終わり一週間ほどが過ぎた。
シンジ君は学校に通うらしいが、僕には技術部としての仕事があるので学校に通うのはパスさせてもらった。
技術部としての地位は技術部第二課課長ということになるらしい。
セキュリティに関してもかなり深いレベルまで見れるようになっている。
技術者として買っているというよりはある程度の地位を与えておいて監視しようと考えているのだろう。
僕としては月読と神威さえあればいいのでそれに危害を加えない限りは深入りするつもりはありませんけど。





僕には技術部第二課課長としての仕事はほとんど回ってこない。
せいぜい承認のはんこを押すレベルでしかないのですぐ片付くのだが、それとは別に僕はエヴァの武装を担当させてもらっている。
エヴァの根幹部分には触れていないのでその許可はあっさりと下りた。
とりあえずは近接用の武器がナイフだけでは心許無いので長柄の武器を作っている。
シンジ君の話してくれたロンギヌスの槍のような化物じみた武装は作れないが、エヴァの性能なら普通に人が使う武器を大型化するだけでも大丈夫そうだ。





そんなこんなでまた2週間が過ぎた。
シンジ君には新たな友達ができたみたいだ。
こちらはマゴロク.E.ソードと名づけた刀がちょうど完成し、それのテストが終了したってところだった。
第四の使徒が来たのだ。





とりあえず僕は技術部第二課の課長室から作戦司令室へと移動した。
そこにはすでに集まるべき人の中で来てないのはパイロットだけという状況だった。
まずは状況の確認だな。





「第四の使徒襲来ですか。前回は15年のブランクと聞きますが今回は3週間、特定のリズムがあるというわけではないのですかね。
もしあったとすれば次は明日にでも来そうですけど」



「こちらの都合はお構いなしか。女性に嫌われるタイプね」



「こちらの都合に合わせてくれる敵なんてものがいれば見てみたいものですけどね。で、まずはどうするんですか」



「敵戦力を測るのが第一よ」



「では僕が出ましょうか?」



「そうね、お願いするわ」





これが僕と葛城さんの間で交わされた会話であり僕は敵戦力の偵察ということで出撃することになった。
まあ、この程度のことで傷つくような月読ではありませんし、A.T.フィールドというものを実感するいい機会ですね。





「では、三笠大和、月読行かせていただきます」



「大和君、あなたの任務は偵察よ、あまり無理はしないでね」



「大丈夫ですよ、A.T.フィールドのある限り使徒には通常攻撃は通用しないのですから、無意味に戦闘をするつもりはありませんよ」





そんな会話をした後僕は使徒との戦闘を開始した。
A.T.フィールドの強度等を知るための実験みたいなものですが、こうやって直接データを取る機械が来るとはラッキーです。
僕にとって有益なデータは取れたが、敵戦闘能力は分からないのである程度接近してみることにする。





遠距離から中距離に近づくと第四使徒は体を起こして戦闘体勢に移行した。
もっともこれは僕から見た主観的なものではあるが。
どうやら敵の武器は鞭のようだ。
かなりの速度で鞭が振るわれた。





「あの馬鹿、無理はしないとか言っておきながら直撃を食らってるじゃない。シンジ君たちも来たみたいだしエヴァで回収させましょう」



「失礼ですね、葛城さん。僕の月読はあの程度の攻撃で直撃を食らうような機体ではありませんよ。
超重力フィールドがあるからあの質量の鞭で直撃させたければ光速の90%以上の速度が必要ですよ。
シンジ君も来たみたいですし、僕はこのあたりで引かせていただくとしましょう」





僕の今回の使徒戦での役割は終了。
これで月読の戦闘能力の中でも防御能力については理解していただけたでしょう。
これに関してはA.T.フィールドとどちらが高いかはあとで検証するとしても、もし粒子ビームの類であればこちらに分があることは間違いないでしょう。
ではあとはシンジ君の戦いぶりを特等席で見させていただくとしましょう。






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