Fate/stay night
変わる運命
第十二話
僕がアーチャーを倒した頃になるとキングがセイバーを追い詰め始めた。
セイバーは完全な状態じゃないみたいなので仕方ないのかもしれない。
「騎士王よ、完全ではない状態ではわれには勝てぬよ」
「キング、まだ決着はついていませんよ」
セイバーは追い詰められながらもチャンスを探しているようだが、それは不可能だろう。
セイバーは未来予知と言っていいほどの直感でもどうにもならないだろう。
キングはまったく油断することなく攻撃を続けている。
もしこの状況に過信し、油断すればセイバーに敗れることになるだろう。
セイバーは剣技ではキングの上を行っているのだ。
だからキングは油断しない。
この的確な判断がキングの最大の武器なのだ。
「騎士王よ、さすがに剣技では貴様のほうが上のようだが、その魔力のなさでは宝具を使えまい」
「それはどうでしょうか、キング」
セイバーは一気に勝負に出るようだ。
無茶とも取れる動きでキングを弾き飛ばした。
おそらく宝具を使うつもりだ。
セイバーの剣を包んでいた風がだんだん拡散し始めた。
キングのほうも運命断ち切る剣を構えなおした。
お互い次の一撃で決めるつもりだろう。
「キング、これで決着をつけましょう」
「宝具を使おうとするは無茶をする。しかしそれしか貴様に勝算はあるまい。だが勝つのはわれだ」
「約束された――
「運命断ち切る――
勝利の剣」
剣」
セイバーとキングの宝具の打ち合いはお互いの攻撃を打ち消しあっての引き分けに終わった。
それはセイバーの敗北を意味する。
もうセイバーにはほとんど魔力は残っていないだろう、現界するのがやっとだろう。
そのセイバーにキングは止めを刺した。