Fate/stay night
変わる運命
第四話







聖杯戦争が正式に始まってから一晩たった。
今日は日曜日なのでクラブだけである。
そういうことで食事を取ってから、キングを霊体化させて学校に連れて行くことにした。
キングに学校の結界については説明しておいた。
敵があの結界を発動させたときが最も戦いやすいときになるでしょうから。





今日のクラブには間桐君がいないようだ。
まあ彼がいようといまいと大して変わりはないのだが。
とはいえ、間桐の家は魔術師の家系ですから、結界を張ったのは間桐君が使役するサーヴァントという可能性も出てきました。
まあ、本来マスターは間桐さんでしょう。
とりあえずそのことは後で考えるとしましょう。





そうしてクラブ活動も終わり夜になった。
クラブの途中で衛宮君がセイバーを連れてくるという珍事があったがそれ以外は問題ないようだ。
さてと今日はキングを連れて見回りに行こうか。
とりあえずは間桐の家について気にする必要があるでしょう。
噂に聞くマキリ臓硯とやらにも会ってみたいですね。
彼が今回の聖杯戦争における間桐のトップでしょうから。





見回りをしていると悲鳴が聞こえた。
おそらくサーヴァントの仕業でしょう。
行ってみると間桐君とそのサーヴァントでした。



「こんばんは、間桐君」


「春日、お前」


「間桐君の考えているとおり僕は魔術師で、今回の聖杯戦争のマスターの一人ですよ」



間桐君がどう返すか、それによっては間桐君を殺すことも視野に入れておかなければならなくなりますね。



「僕に何のようだ?」


「マスター同士が会ったんです、やることは一つだと思いますが」


「そうかよ、やれ、ライダー」


「頼みましたよ、キング」



間桐君では話になりそうにありませんね。
これで間桐君を殺すほどの理由もなくなりましたし、ライダーに襲われた人の治療をして、記憶を弄って返すとしましょう。
キングのほうはほうっておいてもライダーを倒すでしょうし、間桐君は動かないので問題ないですね。





治療も終わったし、キングもライダー相手に遊んでいるようですね。
そろそろ決着をつけますか。



「キング、遊びはそれくらいにしなさい」



キングはライダーの背後に回りこみ、切り伏せた。
ライダーのほうはもともと戦闘力が高くないし、間桐君からの魔力供給がないのでさらに能力が落ちているようですね。
キングが止めをさそうとしている時に、間桐君が持っていた本のようなものが燃えてライダーが消えた。



「してやられましたか、出てきたらどうです、マキリ臓硯?」


「カッカッカッ、気付いておったか、春日の倅よ」


「お爺様、どうしてここに」



間桐君は驚いているようですね、しかしここでライダーというこまを失うわけにはいかないでしょうから、臓硯の登場は予想通りです。
今日の本題はこれからです。



「かわいい孫を心配してきてやったのよ、ところでどうじゃ春日の倅よ、慎二を逃がしてやってはくれぬか?」


「お爺様」


「慎二、お前は黙っておれ、お前も父と同じで役立たずなのじゃから」



自分の孫に対してずいぶんな言い様ですね、臓硯は。
まあ、魔術師の家系に生まれながら魔術回路を持っていないのならば当然でしょうけど。



「僕としては、あなたのほうに死んでいただきたいのですが、マキリ臓硯」


「仕方ないのぉ、先の短い老いぼれの命ぐらいくれてやろう」



マキリ臓硯は蟲の塊みたいなものだったようで殺しきることは出来なかった。
このような形で一つの不死を体現しているとは予想外でした。
復元呪詛のようなものを持っているのではと思っていたのですが。
アレが今回の聖杯戦争の鍵を握るものの一人のようですね。
後はアインツベルンのマスターでしょうね。





さて、見回りの続きをするとしますか。
まあ、もう今日は誰にも会わないでしょうが、もしもということがありますしね。
それにランサーのマスターは知っておきたいところですから。





結局誰とも会うことなく見回りは終わった。
さて、明日も学校がありますし、今日は寝るとしましょうか。






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