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さそり座δ星付近の星雲群







3月の終わりともなると夜半過ぎには、さそり 座が昇ってきます。薄明開始がまだ遅いこと、春に比べて透明度が良好なことが多いことから、3月はさそり座撮影のチャンスです。さそり座には淡い星雲が存 在し有名なのはアンタレス付近のカラフルな星雲ですが、それ以外にも、さそりの頭部にあたるδ星付近にSh2-7、π星付近にSh2-1があります。

これらの星雲群はアンタレス付近よりさらに淡いものですが、ED102SSの8コマモザイクで収めました。冬に撮影したオリオン座の三ツ星からM42にか けての作品とおなじサイズですから、これらの星雲の大きさをイメージしていただけると思います。

このような淡い星雲を表現するためにはかなり強調する画像処理が必要でした。もとのサイズ(120Mピクセル以上)ではさすがに荒れが酷かったですが、そ こから縮小したサイズを前提にしてノイズ低減処理を行うことで、なんとか仕上がってくれました。ノイズ低減処理は解像度を犠牲にしますが、これらの星雲の 形 状からそれほど高解像度は必要ではなかったのにも助けられました。

淡い星雲ということで当然ながらLPS-P2フィルターを使っています。LPS-P2だと青い星雲の彩度が低くなるということはよく言われますが、ごらん のように適切な処理をすればそれほど問題にはなりません。一方でCooled 60Dとの組み合わせでは輝星のまわりにハロが出てしまいますが、それも色のアクセントになると割り切って、ある程度のハロ低減処理をするにとどめまし た。

露出時間は1コマ10分でしたが、それでもヒストグラムの真ん中辺りまで来ていました。以前の経験だとこの露出時間でここまでは来なかったのですが、空の 明るさによるものだけではないような気がします。Cooled 60Dの感度が以前のものより高いのでは?と感じるのですが、どうなのでしょうか。



月刊天文ガイド 2012年6月号 入選作品
 
 
2012年3月
Vixen ED102SS 焦点距離660mm F6.5
BORG EDレデューサー F4DG 7704
SEO Cooled 60D (UIBAR) + LPS-P2
ISO1600 10分露出 x2 コンポジット x8 モザイク
Kenko EQ6PRO赤道儀による追尾
PHD Guiding + Orion StarShoot Autoguider によるオートガイド
天城高原にて撮影

Adobe Lightroom 3、Photoshop CS5 による画像処理