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雲上の世界に昇る


 
宝永山火口の縁から南東方向を見下ろしました。御殿場市街の方向になりますが、雲海が広がりその隙 間から街明かりがぼんやりと浮かび上がっていました。そしてその上にオリオン座などの冬の星座が昇ってきています。まだ8月とはいえ明け方にはこのような 星座が姿を見せます。

雲海は絶えず雲が流れているのが普通ですから、普通に長時間露出をすれば糸を引いたように写ったりするものですが、比較明合成だとちょっと違いますね。地 表の中央やや右に半分見えている山は愛鷹山ですが、撮影しているときにはもっと見えているイメージでした。ただ1コマでも隠れているコマがあれば、それに よって見えなくなるというのが比較明合成になります。
比較明合成は強力な撮影手法だと思いますが、その一方で銀塩に比べると星の色がなかなか綺麗 に出てくれません。画像処理にて星の彩度をかなり高めています。

星だけを考えればもっと左に振った構図がいいのでしょうが、愛鷹山やその右の盛り上がった雲を入れたかったので、この構図となりました。


    2010年8月
Canon EF16-35mm F2.8L II (16mm), 絞りF5.0
Canon EOS 5D MarkII
固定撮影
合計 12分30秒露出
ISO1600, 30秒露出 x 25コマ 比較明合成
富士山宝永山火口にて撮影
Adobe Lightroom, Photoshop CS5による画像処理