フィジー実習下見実況中継日記(060720-060727)

060720
17時成田集合。団長萩谷先生(地質学)、高砂子先生ご夫妻(有機化学)、鈴木氏(文化人類学)、村岡氏(物理化学)、倉田(植物学)の六人連れ。集合していきなり、フライトが一時間延びた。ごめんなさい券1000円分でとりあえずご飯やケーキやらを食べ、時間をつぶす。飛行機が混んで席がばらばらになってしまった。まぁ気を使わなくていいや。
午後8時、一時間遅れで離陸。11時夕食、2時半朝食(Fiji時間5時半)、食えるかっつーの。とにかく夜行便は苦手。ほとんど寝れずじまい。

060721

ナンディ国際空国に到着。冬の南太平洋は日本の夏より日差しがきつい!
あれ、この写真は国際線じゃないな。まぁいっか。

Fiji時間で朝7時半、ナンディ国際空港着。ろくに眠れてないので、涼しいながらも日差しが心配だ。荷物を受け取って若干の詰め替え作業の後、実習協力者のイノケさんの車とタクシー1台でまずナンディタウンに向かう。南太平洋の島なのに、なぜかニューカレドニアよりは東南アジア臭い。なんか懐かしい感じ。イノケカーはマツダの四駆、これに萩谷先生、高砂子先生夫妻、村岡氏が乗る。タクシーはトヨタだがディーゼルでくさい。これには鈴木氏と倉田が乗る。どうやら萩谷先生基準で迷子になっても生きていける人間をタクシーに乗せたらしい。しかしこれから先が大問題。タクシーの運ちゃん、窓を閉めない。周り中車検なんて到底通りそうにない粉塵排ガス全開の車だらけ、臭くて死にそう。しかも途中からはひどいダートで、前を行く萩谷先生ご一行様を乗せた車の砂煙で前が見えない。


村に到着。大臣が来るので歓迎ムード。われわれではない。

トラックの荷台で。この感じがいいね。

そうこうして小さな村に着き、簡易セブセブ(儀式)に出るころには、頭から砂まみれで白髪状態になっていた。黒いTシャツなんてしっかり茶色くなってるし、買ったばかりの一眼レフデジカメも砂にまみれてえらいことになっていた。初日からこれかよ…途中からタオルを口に当てていたが、のどは痛いわ鼻や耳の中まで真っ黒でどうしようもない。

ここから高砂子先生の仕事で水質調査に向かう。鈴木氏と倉田は四駆の荷台にお乗換え。再びダートを走り出す…たまに跳ね上がる車、着地する際にあちこち打撲。これはあざになるぞ…あれよあれよという間に今度は川を渡りだす。鈴木氏の話では雨季には増水してるので車ごと渡し舟に載せるらしいが、今回は乾季で水が深くないのでそのままわたることにしたらしい。が、それでも深みがあるようで、入りかけたら地元の馬に乗った二人組(西部劇の刑事みたいだった)に先導され無事通過。高砂子先生のお仕事中には私はカメラを手にうろうろ。道端の植物を撮ってみたが、どれもこれも帰化植物で面白みにかける。それにしても値段のなせる業か、非常によくできた植物写真が面白いように撮れる。これは是非にもFiji図鑑植物編を作らなければ。(しかし高速移動中の道端風景にはシャッター速度が追いついていない)


おもむろに川を渡る。水深は結構深い。  

石灰岩の切り立った山。昔は海底だったはず。

高砂子先生、水質調査中。                        

高砂子先生のお仕事中には私はカメラを手にうろうろ。道端の植物を撮ってみたが、どれもこれも帰化植物で面白みにかける。それにしても値段のなせる業か、非常によくできた植物写真が面白いように撮れる。これは是非にもFiji図鑑植物編を作らなければ。(しかし高速移動中の道端風景にはシャッター速度が追いついていない)

小さな村に戻って、また空港まで帰る。さっきの恨みがましい目つきが効いたのか、萩谷先生が代わってタクシーに乗るという。腰が痛いとか何とか言ってたから心配だが、まぁいいか、と思ってあっさり四駆の助手席にお乗換え。これがまたさいこーに快適な車だった。さきほどの砂まみれ、路面の衝撃をそのまま伝えるのとはえらい違いで、安定したサスの効いた、おまけに窓の閉まる快適さ。昨夜の睡眠不足を補うべく、とにかく居眠りをして空港到着。ここでちょっと腹ごしらえをして、1530に今度はマナ島へのフライト。


定員8人の飛行機。これにはさすがにテンションがあがった…

ほんとは16時発だったはずなのに、と思ったら、なんとかつて乗ったことのないほどの小型飛行機(乗客8人乗り、これをわれわれ6人で貸切)!しかし乗客の体重チェック…??総積載量を気にするほどの飛行機なのか?と一抹の不安がよぎりながら飛行機に向かう。なるほど。左右のバランスをとるために測ったのかしら。ちょー小型機はジャンボよりもかえってちゃんと飛びそうなんだけど、問題は着陸滑走路が砂利だったりして…しかも今夜の宿の「お出迎えリムジン」が、なんとトラクター。。。さらにビーチにいる客を拾うために滑走路を横断…そしてよくみると滑走路脇でクリケットしてる。すげー。


ココナッツとパイナップルなどのトロピカルミックス。リゾート気分を味わってみる。

夕ご飯にはビュッフェに出かけ、ディスプレイのパパイヤを無理に切ってもらい食べる。やっぱ果物はパパイヤに限るわ。すっかりご機嫌。その後フィジアンダンスショーを見物。耳になじむ音楽でなかなかよかった。タイマツを投げたりまわしたりするのもすごい迫力、まるで火が踊っているかのよう。海岸に星を見に行くと、真っ暗闇の中、満点の星、天の川。南半球の星座なんてぜんぜんわからないけど、物理至上主義の人たちはこんな星空を知らないから物理がもっとも高尚な学問なんだと信じてるに違いない。かわいそうだなと思った。


060722
9時に目覚ましをかけたのだが、8時に萩谷先生の無線で起こされる。が、村岡氏爆睡中…

9時、村岡氏起床、9時半先に食事を終えた皆様と合流、ビュッフェ。食べ終えて部屋に戻り、とりあえず帰国後のオープンキャンパスに使う研究室紹介ポスターを作成、しかし頓挫。(Macで作った書類が読み込めない)Fijiの歌の練習にいった村岡氏鈴木氏が帰ってきて、今度はビーチに行くというので同行。この間萩谷先生は熟睡。


青い海。まさに南国リゾート。  

カレーのセット。インド系が多いのでスパイスはすごい。

13時、萩谷先生合流、高砂子先生夫妻合流でお昼ご飯。カレーをチョイス。Fishカレー、野菜カレー(野菜のカレー煮蜂蜜風味)、豆カレー(いかにも澱粉っぽい)の三種盛り。じっとり辛いがまずまず。フィジーはインド人多いし、カレーは美味い。昼食後は期末の答案を持ってレストランへ。美しいビーチの見えるカウンターに陣取り採点。青い海による気分上々加点はなし。


島内散策。侵入植物の影響はここにも。           

無線で呼ばれ、島の探検に出かけることに。しかし満潮で河岸沿いの岩場を歩くことができないため、しかたなしに丘に登ってサンセットビーチまで向かう。美しい夕日をカメラに収める。が、肝心の海に沈む夕日は雲で見えず。昨日の滑走路を横断し(日本でやったら捕まっちゃう)ぶらぶら。その後、ここのスタッフ3人とともに食事。Fiji料理のビュッフェ。スタッフいわく、「ここの空港は国際空港の次に立派で安全なんですよ」…って砂利だけどね!!(砂利でないとオーバーランするらしい…)そんなこんなで萩谷先生と鈴木氏はマネージャールームで津波対策の緊急講義(最近南太平洋は地震が頻発している)、他はFijiの伝統的な歌と踊りの舞台(メケショー)を見た。再度みなで合流し、サウスビーチに星の見物に出かけた。萩谷先生PCには星座ソフトが入っていて、満天の星空のどこに何があって、星座の由来までわかった。この人のこういう多岐にわたる教育の実践は本当に敬意を持つ。皆が星を眺めている間、倉田と高砂子先生は二人で三脚にカメラを固定して星空撮影にチャレンジ。これがまったくうまくいかない。悔しいから明日以降またチャレンジだ。



リゾートらしくライトアップ。ここでは発電、通信、塩水の淡水化施設などの実習。

明日はとりあえず日の出を見るために早起きをする予定。それから1025の船で本島に戻る予定。無事な移動日であることを祈るが…昨日のこともあるし、ちょっとやそっとではびびらないようにしよっと。


060723

燃えるような朝焼け。でも眠い。日本時間だと午前3時くらい。

朝6時。萩谷先生の声で起こされる。これから日の出を見に行く約束をしていた。みんなで昨日夕日を見たビューポイントまでまだ暗い中を歩く。空が白み始め、6時半前、輝く太陽が雲を染める。あぁ、南の島に来ているんだなと改めて思った。その後マナ島最後のご飯を食べ、海岸沿いの遺跡を見物。これが遺跡?高砂子先生は「恐竜の足跡だ」とのたまう。(「地球の歩き方」には「遠い海から来たCoo」の舞台がこの島で、公開直前に海岸で本物の恐竜の足跡が発見され話題になったと書いてある。萩谷先生が見たら涙しそうだ。ここの地層は恐竜が絶滅したよりもはるかにあとにできた火山性の岩石らしい)あまりの反応の悪さに萩谷先生いじける「明日博物館で似たようなのがあるのでみてください」と。


海の男(風)の二人。冬、シケ?ですごい風だった。

9時半チェックアウト。桟橋まで歩いていく。サウスビーチは浅い海で魚が泳いでいるのがはっきりと見えた。船に乗り込む直前には昨日夕飯をご一緒したマナ島のスタッフ三人も見送りにきてくれた。浅瀬は船を通すためにさんご礁を発破したらしい。環境保護条例ができる前の話。その後いくつかの島を経由してビチレブ島までクルージング、これが太陽がきつくて風が強くてぐったり。港からはバスに揺られて一時間、ぐっすり眠りこけた。午後、ホテルからナンディ市内までのお買い物バスに乗り込み、市内の土産物屋でお買い物。しかし店員が流暢な日本語を話すのがとても気持ちが悪い。今回は特に海外に来ている気がしない。回りが日本語だらけだからか。こういう土産物屋が苦手なこともあって、どうも食指が動かない。結局石鹸とタパの柄風のランチョンマットを購入、その後遅い昼飯に、鶏がタイヤで走ってるマークのファーストフードに立ち寄った。絵が面白いので写真を撮ろうとしたら、萩谷先生がその鶏のまねをしてくれたので爆笑しながらばちり。この人は思わぬところでお茶目だったりする。通信が悪すぎてメールが読めずに焦っている萩谷先生を遺して5人で町をぶらつき、屋台でジャックフルーツ(2$)とパパイヤ(3個で1$)を購入。再びバスでホテルに戻る。風呂のあと、急にだるさが襲ってきて、現在熱は下がったものの頭と目の奥が痛い。昼間の炎天下クルーズが効いたらしい。反省。夕飯のカレーは結構おいしかった。でもオレンジジュースは最悪。とても飲めたような代物じゃない。グローバリゼーションはよいとは思わないけど、せめてオレンジジュースくらいはグローバルスタンダードがあってもいいんじゃないのか…。(ニューカレドニアのもまずくて飲めたもんじゃない)。体温が低下していたので風呂に浸かってようやく落ち着いた。これで寝たら明日には何とか回復しているといいのだが。7時半出発なのでさっさと寝てしまおう。


道端で果物を買う。東南アジアでよく見る風景だよな…

060724
朝7時半、歩いて空港へ向かう。今度は三列×10列のプロペラ機。ジャックフルーツとパパイヤを鈴木氏が運んだのだが、強靭なジャックフルーツに我愛するパパイヤたちが潰され,大惨事に。飛行機は乱気流に巻き込まれて異様に揺れ、なかなか生きた心地がしなかった。スバの空港に到着後、チャーターバスでUSP(南太平洋大学)に向かう。ソフィーにはすぐに会えたが、他はまったく会えず。USPの本屋でしこたま洋本を買い込む。4人で占めて1039ドル、35冊。Fijiの植物図鑑には以前萩谷先生にもらった太平洋全域のもの以外にまともなものがなく、Coservation Biology, Biogeography, Biogeography in Islands, Oxfordの辞書(Biology), Medical Plants in South Pacificの5冊をセレクト。USPに日本人の先生(JICA派遣)や学生がいることに驚く。学生数が異様に多いことにも驚く。さすが南太平洋11カ国共同の国立大学だけあるなぁ。その後、大統領府の憲兵とともに写真を撮ったり、Fiji Museumによったりしながら、シンガトカ近くのCrows Nestに到着。ここまでは山道で急勾配なのに、バスはまるでスポーツカーのように攻めの走り(=片輪が浮いてる瞬間を何度も体験)をしていた。これまた生きた心地がしなかった。学生実習で使う拠点の施設でありながら、ここはまた美しいビーチと結構快適な構造。こんないい実習があっていいのか。うらやましい。鈴木氏、村岡氏と倉田の三人で、自炊の材料調達に街まで買出し。マーケットで野菜を買い込み、スーパーで調味料を買う予定が店が閉まってしまい、近くの店で適当に調達。帰ってからオクラとナスのカレーを作る。ナイフが切れなくてストレス。ラムのひき肉のためなかなかにおいもすごい。だからココナツミルク買おうよって言ったのに…。カレー鍋を管轄してたのは村岡氏だが、何しろ味が決まらない。日本ではカレーをまずく作るのは至難の業だが、粉からだとやはり難しい…。結局高砂子先生が何とか軌道修正をしてくれて、食べられる代物になった。鈴木氏作のお好み焼きはフライパンがないため中身が生。一番うまかったのは、萩谷先生が炊いた米だった。明日は山に入る。




上)実習の拠点、目の前はコーラルコースト。
中)宿舎で自炊。学生は自炊経験も浅いのでいろんなことが起こるのだそうな。
下)皆で食卓を囲む。


060725

朝一番で無線に飛び込んできたのは「萩谷先生ダウン」の情報。昨日辛そうにしていたが、まともに風邪を引いて起きれない状態らしい。気力で生きているような人が、体がついてこずに半身を横たえているのはなかなか痛々しい。なのに仕事のメールを必死で打っている。とりあえず温かいミルクティーを持って様子見にうかがう。かなり悪そうだ。ミルクティーを渡すと「こんなときには人間に感謝しますねえ」といった後「誰を人間と判断したかはわかりませんが。いや天使かもしれないじゃないですかぁ」などと減らず口をたたくので、まぁ大丈夫だろうと判断。残りの皆は昨日買ったパンなどをかじり、八時半にイノケさんが迎えに来て、無理矢理起きだしてきた萩谷先生を含め出発。車でダートを小一時間走る、あまりのひどい道に何度か命の危険を感じながら(車の背が高いので傾きが異常!)なんとか村に到着。セブセブの儀式。カヴァ(コショウ科植物の根)を鉄の筒に入れ、鉄の棒で粉砕する。集会所で木をくりぬいたボールに粉砕したカヴァを入れた布袋を入れ、水をかけて濾す.すると見るからに泥水のような液体になる。偉い人の挨拶に始まり、一人ずつカヴァを差し出される。手を一度たたき「Bula」といって受け取る。飲み干す、「ビナカ」といって手を三度たたく。「泥水みたいな見た目、泥水みたいな味」といわれていたが、最初の感想は「飲める!」ジンジャーっぽい風味で粉っぽくもなく、結構いける。なんとなく鼻から喉、胃腸にかけて全体的にスーッと通るかんじ(ちなみに村岡氏はこれで車酔いが収まり、萩谷先生は翌日起きられるようになった。消化器系に特にいいらしいが、根をかじってみると舌の先が強烈にしびれる。アルカロイド系?飲みすぎると酩酊状態になるらしい。村岡氏によると「ミルクティーの色,葛根湯の味」これはかなり好意的な見方)。一杯で終わらせるという約束が、時間を追うごとに二杯三杯…味はともかくおなかががぼがぼになる。やっと4杯飲んで開放され、山に向かった。フィールド初心者、年配者、具合の悪い萩谷先生もいるのでのんびり歩いて水質も調査するとなると、結構時間がかかってしまい、途中まで行ってあきらめた。さっさと帰る。帰りは街によって買い出し,夜は鈴木氏持参のそうめんでソーメンチャンプルなど昨日と打って変わっておいしい食事となった。


丘の上から臨む。乾季で山は枯れ果てているが、川は豊かな水量をたたえている。  

カヴァを抽出。おっさんが手を洗っているようでみんなは気になってたようだ。


恐る恐る飲んでみる。意外にもすっきりとした飲み味。薬だな。 

すっかり溶け込んだ村岡氏。「この村の子になる!」と言っていた。

060726
八時、起床。高砂子先生夫妻が朝食を作ってくれている。萩谷先生がげっそりした顔で現れる。皆で残り物を食べて九時過ぎにイノケさんの車に乗り込む。まずはシンガトカの街で買い物。
その後に遺跡見学に行く。フィジーでは人食いの習慣があったことは知っていたが、捕虜を殺す石の台はあまり気持ちのいいものではない形状であった。石の割れ目にそって首手足を落とすのだそうな。そこに鈴木氏が寝てみる。うーん、やっぱり気持ち悪い。特に地位の高い人や占い師の血は飲むと不思議な力が授けられると考えられていたらしい。「Vokola」という看板が掲げられていたが、萩谷先生「これがボコられるの語源ですね(ウソ!)」というのでやや笑えた。遺跡はイギリス統治下に入りたくないトンガ人(これも入植者だけど)の戦争跡のようなもので、川を見下ろす眺めのいいところだった。ちなみに萩谷先生は無線機でいろいろな説明を流していた。学生が多い場合、離れてしまうと解説が聞こえにくかったりするために飽きてしまうが、この方法は非常に優れている。何しろ自分のポケットから解説が聞こえてくるのだ。
次にどうしても墓を見たいという鈴木氏(彼は墓石の研究者である)の希望で街の墓地に行った。ちょうど葬儀が行われるようで、人もいた。外国人が街の墓地にカメラを持って入るのはどうなんだろう。


処刑台に横たわる鈴木氏。リアリティ出過ぎて気持ち悪い。 

川から来る敵を監視する見晴台。すごい眺め!

次はFiji初の国立公園、砂丘に行った。「心臓破りの砂山」というのに若干覚悟をして歩いていたが…そりゃ走って上れば心臓破りだろう、萩谷先生…尾根線上をしばらく歩くと風が強く、遠くから雨雲が近づいてきているのが見えた。砂地はきれいな風紋ができていた。萩谷先生の「こんな自然の芸術を破壊する人間はなんて罪作りなんでしょうね」に同意をしたものの、「ま、すぐにまた回復しますけどね」。同意して損した。砂丘の向こうを歩く萩谷先生、足跡にピントが合い、本人が遠くに映る「萩谷の軌跡」など結構いい写真が取れた。萩谷先生シリーズでCD焼いたらファンの子に売れるかな。海岸では高い波が押し寄せていた。どこから流れ着いたかはわからないが、モダマがたくさん落ちていたので蒔いてみようと思って拾ってきた。(後日談:海流はビチレブ島の東から西に回りこんでいるので、大概はビチレブ島東部のものが流れ着くらしい)帰り道は湿潤な森林の中を歩き、初めてまともな植生を見た気がした。やはり植物は緑でなくちゃね。午後二時、街まで戻り、昼食。典型的なFijiの大衆食堂だというので、イギリスの影響を受けているFish&Chipsを最後にまともに食べておこうと頼む。ついでにアイスクリームも。おいしかった。幸せだった。けどなぜアイスを先に持ってくるかなぁ…


心臓破りの砂山を駆け上る萩谷先生。

自然の芸術、風紋。

蛇行してる軌跡に萩谷先生の人生を重ねる。「この先で僕が行き倒れてれば完璧でしたね」と。

Fish & Chips。結構美味。

その後ナンディまで戻る。夕食をイノケさん夫妻と約束していたので、早めに街まで出て、ぶらぶら買い物。夕食は大黒という日本食レストラン。街ではかなりの高級レストランなのだろう。鉄板焼きがメインで、目の前で焼いてくれる(つまり沖縄風)。ここで久しぶりにおいしいオレンジジュースに出会った。感動。イノケさんも「うまい」と言っていた。フィジアンがフィジーで一般的ではないおいしいオレンジジュースをおいしいと思うということは?普段まずいと思いながら飲んでるのか?ここでもまた「鉄板が火事」「箸でハエを捕まえる萩谷」など名作が撮れる。このカメラは本当に賢い。決定的瞬間を逃さない。タクシーでホテルまで向かい、大きなものの清算をし、明日の帰国準備を始める。帰ってからの仕事を思うと本気で帰るのを拒否しそうな感じ。至れりつくせり観光気分で体力的にも全然きつくなかったので楽をしたからだろう。萩谷先生に感謝感謝。



Chops masterは箸でハエを捕まえるんだよ、と説明してる姿。 

イノケさん箸の練習中。

060727
七時過ぎに起床…とりあえず荷物をつめ、萩谷先生&鈴木氏部屋でパンをかじる。萩谷先生はメールチェックのためオフィスに向かう。8時半過ぎ、ロビー集合、空港まで徒歩。帰りの飛行機も満席で、通路を隔てて隣の萩谷先生は搭乗と同時に蓑虫になっていねむり。風邪を引いてしんどいはずなのに日本にいるよりもいい顔してるのが気の毒。
今回の植物の写真はおよそ55種、これの同定にも相当な労力を要するだろう。でも二千円でフィジーの写真集も出てたし、書くのは可能だなぁと思った。それから同じ南太平洋だから似ているのかと思いきや、やはりニューカレドニアはニューカレドニア。あの個性的な島にはぜひ写真を撮るためだけにもう一度行かなくては。これまであのすばらしい植物相、風景が当たり前になっていて、写真もろくに残っていない。もったいないことをした。
そんなこんなで新しくも懐かしい雰囲気のフィジー旅、海外実習の準備というのはとても大変だということが身にしみてわかった。今回は萩谷企画の観光だったので純粋にたのしかったけれど。


擬似家族、ナンディ空港で最後の記念撮影。       


おしまい☆

その後…9月9日から再びフィジーの地を踏んだのでした。